Contour

27年かけて作り上げた簡単操作という特徴

Contour新開発のため、そのDNA、すなわちその原形質に戻ることと新たに重要な特性を付加することを同時に考えていました。―そこで材料、様々な技術、各種デザインの実験についてはエンジニアの完全な自由裁量に任せることにしました。

その成果が全く新しいContourです。新ドライバー、新クロスオーバー、新フロント・バッフル (従来のContourと同様の固体金属製)、及び新たなラウンド形キャビネットを採用しています。
新Contour スピーカーはすべて新ドライバーを装着しています。これらの新ユニットの開発に着手した時、エンジニアは有限要素法 (FEM) を活用して、ごくわずかでも改善の余地がないかどうかを検出するため可動部品全体を精密に調べ上げ、細かい点まで取り決めました。FEM プロセスのおかげで、スパイダーに特別の波形を追加して、その対称性移動を最適化できたのです。スパイダーはドライバーの多数の新特性の1つに過ぎません: ドライバーには新たなマグネット・システム、通常よりも薄い MSP製振動板, 高さを上げた巻き線が取り付けられ、さらに振動板とボイスコイル間の接着剤ですら一新されています。これらの新テクノロジー全体が一体となってクラシックContourの DNA (その精妙なミッドレンジ) を保持すると同時に低域の性能を新たな高みにまで向上させているのです。
Contourのフロント・バッフルに変更を加えました。以前のモデルは、鈍いエッジの固体鋳鉄製でした。現在はカーブド・エッジ(曲線状縁端部)付きの固体アルミニウム製です; 剛性があり、重量を抑えると同時に不要な振動と回析を低減させます。

またDynaudio で初めての特徴であるカーブド(曲線状)・キャビネットに気づかれることでしょう。これは決してデザインのためではありません(ゴージャスに見えると思いますが)、曲線状のエッジはもっと厳密なデザインを助長することで―堅固なアルミニウム製フロント・バッフルと同様に不要な振動と回析を減らすのが狙いです。
すべての Dynaudio キャビネットと同じく、Contourは最高レベルのクラフツマンシップのもとで製作されています。もちろんハンドメイドです。キャビネット単体のカービング(曲線状成形)、ラッカー塗装、サンドペーパー磨き、ポリシングに2週間以上をかけています。さらに4種の異なる洗練された仕上げを用意しており、どのようなご家庭のインテリアともマッチしやすく楽しんでお使いいただけるでしょう。

18W55スピーカードライバー

Technology

新しく開発されたスピーカー・ドライバー『18W55』

Christopher Kjærulff, Content Manager @ Dynaudio
2016年10月1日
Contourプロジェクトに着手した時, 我々の間で問題になったことがある:それは、Contour シリーズに伝統的に関連付けられている卓越した高域とミッドレンジの性能をどうやって維持し、また極低周波数をどんな具合に改善するかという問題だ。先行モデルのレガシーを尊重しながらも革新的なスピーカーをいかに創出するかが大きな課題だ。
この実現のため開発したのが、エキスカーションの70% 延長、ボイスコイル巻き線高さの24%増,振動板面積の 20%拡大, “通常より大きい” 7.6mm の楕円周囲, MSP コーン厚みの0.5mmから 0.4 mm への縮小のほか多数の改善を施したドライバーだ. だが、我々はいったいどうやってこれをなし遂げたのか?

微小な可動部品もすべて精密に計画

我々の場合, Dynaudio のクラフツマンシップ(熟練者の技能)及び長年蓄積したノウハウを新たな研究テクノロジー・手法と、また熱情とリスニングを現実及びコンピュータ・シミュレーションと融合し統合した。我々はContourのポテンシャルを極力高度化したいと考えた。先のContourが市場投入された2003年以来, 新たな技術とノウハウを修得・発見した結果、目標達成に活用可能な一段と奥深い知識体系を手にしている。
各モデルの様々なスペックについては、ここThe all-new Contour seriesを参照願いたい

本課題には優れた才能あるチーム – Danny Pasfall Christensen, Andreas Eberhardt Sørensen, 及び Daniel Emontsから成る―を張り付けた。このチームは以前のドライバー・デザインのすべてのパーツを精査し、一段の改善、最適化、効率化の可能なものは何かを検証した。
同チームは有限要素法を用いて微小な作動装置全部の詳細計画をまとめ、数えきれない時間をリスニングに費やしてから―これらの眼識を念頭に、仕事に着手した。 目標達成に必要なパーツの開発が進展した:改善されたスパイダー, 最適化された新マグネット・システム, 新たなアルミニウム製ボイスコイル, カッパー・キャップ追加の極片ほか多数の開発だ。

非対称波形でシンメトリ―改善

新しいスパイダーは念入りにすすめたFEM (有限要素法)分析の成果だ。このプロセスで、3名のデザイナーがシステム全体のトータル・シンメトリー改善のため特別の小型波形を採用した非対称スパイダーを使用できることを発見した。

非対称性デザインを使用することで、その波形を最適化し、スパイダーの剛性を向上させるので, 18W55 のボイスコイルに対する制御性能が向上し、その挙動の微小な異常ですら防止する。

ボイスコイルの挙動の対称度増大で、特に高域及び大音量でのサウンドに対する制御力上昇をもたらすSPL の上昇で以前のContourよりも大きな音量での演奏が可能となり、しかも Dynaudioサウンド再生の伝統的クオリテイが失われることはない。

巻き線の増大とともに

Danny, Andreas, Danielはさらに開発を推し進めるため 18W55のマグネット・システムを最適化するための分析によって取得した知識を利用した。その結果、選択したのは 30mm 口径の大型センター通気口付きデュアル・フェライト・マグネット・システムだ。
マグネットとコイルは電気エネルギーを動きに変える。2個の独立したマグネットを合体させることで所要のシステムの電気出力をきっちり必要とされる範囲に細かく調整・制御できるとともに、ボイスコイルのエキスカーション延長のための追加スペースを確保できる。

スピーカー・ドライバーには強力な基盤が必要だ: このためには新開発の湾曲形Contourキャビネットについての理解が必要だ。
ボイスコイルについても綿密に検討するため、様々なオプションを実地に検証した. 当社独特のアルミニウム製大径ボイスコイルの研究継続を決定した。超軽量アルミニウム製とすることで, 重量の嵩むカッパー・コイルに比して巻き線数を増やすことができる。
だが、さらに新規の改善も実行したDanny, Andreas, とDaniel は、旧Contour モデルに比してボイスコイルの巻き線の高さを24%大きくした。これでコーンの変位をより長く、より安定させることができる。
結局は, コントロールと低域の問題だ。手短に言えば,  使用する巻き線が増加すれば、それだけコントロールが向上するのだ。また変位が長くなり安定すればそれだけ移動する空気量を歪みなしに増やすことができる。これら2つの事象が合わさって、より大音量で、よりディープに、よりコントロールされた低域を演奏できることになる。

画像説明

  1. 1.エキスカーションの70%延長
  2. 2.MSPの厚みが0.5mmから0.4mmに減少
  3. 3.極片にカッパー・キャップ
  4. 4.グラスファイバー・フォーマ―
  5. 5.アルミニウム製ボイスコイルの高さ24%増
  6. 6.デュアル・フェライト・マグネット・システム

空気の移動を達成

また, マグネット・システムとボイスコイル換気も改善した: マグネット・システムには 30mmの大径センター通気口を含めたが、他方ボイスコイルは組込み型換気を使用している。全体として, 換気の改善で障害物なしの空気排出が可能となって、コーンのより自由な動きをもたらしている。
両方の改善には明確な利点がある: システムからの空気の排出が容易でない場合、システムによるコーンの内外移動に伴って抵抗が発生する – これが歪みのように聴こえる場合がある。その上、移動増大が本当に骨を揺さぶるほどのずっと奥深い迫力をContourに作り出させるのだ。
新マグネット・システム、 巻き線高さ増のボイスコイル、新たな高さ7.6mm 楕円形周囲, 剛化された スパイダーのおかげで, Danny, Andreas, 及び Daniel は 18W55のエキスカーションの 70%.増を成し遂げた。
エキスカーションの増大によって, 静止位置からのコーンの移動距離が拡大するが、これで空気の移動量が増加して音圧レベル上昇をもたらすことができる。この空気移動増と音圧上昇によって、ドライバーは先行モデルに比して、より大音量での重低音再生を可能とするのだ (このため皆さんの隣人が我々に感謝することはないでしょうが)。

積もり積もって大きな成果に

新18W55に加えられた特性のすべてが、我々の目的達成に重要な役割を果たしている : これはまさしくスピーカー・ドライバー・デザインに対するホウリスチック(全体論的)アプローチだ. 新換気システムの改善成果を取り去ってみれば空気の移動に加えられたすべての要素に過大な圧縮が加えられることで サウンドに歪みが生じるだろう。

改善点をすべて取り去ってみればRemove all of the improvements and lose the Contourのこれまでにない驚嘆すべきサウンド再生が滅失するだろう。

カーブド・エッジ

スピーカーをデザインする場合、我々にとっての最重要優先事項はサウンドの再生です―実に明快です。これは完成したデザインの個別パーツ全部についても等しく当てはまります: 即ちドライバー、バッフル, 脚部でさえも、またいうまでもなくキャビネット (加えてここで触れなかった他のすべてのパーツ)について言えることです。
Contourプロジェクトに着手した時、我々は新しいキャビネットを開発したいと考えました―そして我々のエンジニアが創出したキャビネットが外観面でも、また音響面でも卓越した傑作だったのです. 音響面で価値ある利点がありました: 若干の例をあげれば高周波数での回析の減少、オフアクシス・リスニング性能の向上があります。
これらはいずれも 3週の作業時間、11段階のラッカー塗装、及び 16ピースのサンドペーパーを要するプロセスにおいてDynaudio の真のクラフツマンシップ(熟練工の技能)を注ぎ込んで作り上げたものです。

Links on page:
The all-new Contour
The new 18W55 loudspeaker driver
The new aluminium Contour baffle

Improved off-axis performance
新開発のContourには充実した音響性能発揮を目的としたカーブド・エッジ(曲線状縁端部) があります:
このエッジはデザインへのフィンまたはハンプの追加を要することなく、望ましくない高周波数回析を削減して,高音域を改善する効果があります。加えて, スピーカーのオフアクシス・リスニング性能を向上させます― Contourの見事なサウンド再生をエンジョイするのに正確な中心点に位置取りする必要はありません。

各モデルのそれぞれのスペックをすべて見るにはここThe all-new Contour seriesでご覧ください。

キャビネットはMDF製多層デザインであり、以下の極厚層から構成されています:即ち 38mm バックプレート、26mm フロント及びモデルに応じて 16mm または19mm サイドプレート ( 19mm サイドプレートを使用しているのはもっとも大型のモデルに限定されます)。
このデザインは極めて硬質かつ安定した構造であり、サウンドを色付する可能性のある不要な振動すべてを減少させることでベストのリスニング体験実現に寄与します。

KERF-カット MDF 防振

‘フード’の下部を見ると 際立って防振性の優れたキャビネットがあります:デザインの極めて重要な部分の安定性を増強するため、スピーカー・ドライバーにできる限り接近させて内部補強材が取り付けられています。この結果、再生サウンドを色付けする可能性のある不要な振動を除去することでドライバーにその性能を発揮させることができます。

The Contour’は全く新しいスピーカー・ドライバーを装着しています。

 

Contour 20, 30 及び 25C の18W55 ドライバーの詳細についてはここから
また, KERF-カットによる内部MDF 防振用プレートを付加しました。これらのKERF-カットMDF 防振用プレートがキャビネットの安定性をさらに増強します。KERF-カットそれ自体及びキャビネットの厚みがキャビネット後部の好ましくない音波を実際に分解吸収して順方向へのサウンドの正確な移動を確保します。

5-軸カッティングヘッドほど役立つものはない

Contourキャビネット製造には時間がかかります。最初のステップは多層キャビネットの製作です。これらは各単層を緊密に接着した後に巨大な力で加圧します。加圧完了後、クラフツマンがCNC(コンピューター数値制御)でキャビネットをミリング(フライス加工)します。 Contour 30の場合、加工完了までに90分以上を要するプロセスです。しかし、普通のCNC-カッターを加工に使うことはありません; 我々は5軸カッティングヘッドのCNC-マシーンを使用しており、また通常は複雑な金属の公差について指定されている精度に準拠して実際に稼働しています.サンドペーパーは有効寿命を失うことになります。
次いで、加工されたキャビネットは仕上げにもよりますが最初の層についてはラッカー塗装が最高11塗膜に達します―また、ハイ・クオリティ・キャビネットを確保するのに決定的に重要なプロセス段階で最初の塗膜(プライマー:下塗り)を硬化させるのに40時間以上かかります.各層は、完全に着底させなければなりません; あまりにも急いで作業を進めた場合は, ラッカーに空気あわが発生し、またはシワがよるリスクを冒すことになるでしょう。次の塗膜は、プライマーほどの時間はかかりませんが、それでもやはり硬化させるのに24時間以上かけた後加工を継続するのに十分な安定性が得られます。
各ラッカー塗膜形成時の合間にキャビネットをサンドペーパーで磨きます。Contour 30 がサンドペーパー研磨プロセス全体を通過した時点で、16 ピースのサンドペーパーが有効寿命を失います。マット仕上げの最終ステップもサンドペーパー研磨です。このペーパーは平方センチ当たり600個以上の微粒子があり―P600と呼ばれています。
ハイグロス仕上げについての検討を続行しています。この仕上げは光り輝く(文字通り輝く)性質が必要です。このため十分磨きをかけてから引き渡しを認めます。 最初に2種の異なるポリシング・ペースト(光沢剤、つや出し剤)を塗り、その後平方センチ当り. 1,500個の粒子を付着したポリシング・ディスクを使用します。最終処理で使用するのはP3000 ディスク―平方センチ当り3,000個の微粒子という信じがたいほどのディスクです―各粒子の直径は、何と人間の毛髪より小さい 6マイクロメーター(ミクロン)です。

技能と完璧な仕上げに対するセンスが肝心

 

キャビネットを仕上げた段階で、注意深く念入りに実行した製造プロセスに3週間以上をかけたことが分かります; Contour 30にはラッカーを最大4リットル、サンドペーパーを16 ピース使用し、サンドペーパー研磨とポリシングの手作業に8時間以上かけています.
これは時間のかかる、しかも多大の労力を要するプロセスですが、我々にとっては極めて重要です. 当社には ラッカー塗装とポリシングだけの仕事に従事しているカーペンターが 30名在籍しています。彼らはそれぞれの分野で最高の技量を有する人材です― 我々は最高のキャビネットしか容認しないからです。

Dynaudioキャビネットの製造に要求される技量と完璧な仕上げのセンスをマスターするには、熟達のための献身的努力が必要です。
It takes dedication to master the skills and sense of perfection needed to build a Dynaudio cabinet.